2011 12月8日(木)
良いお話を教えて貰ったので、紹介いたします。
従業員50名のうち、およそ7割が知的障がいをもった方々で占められている会社が川崎市にあります。 日本理化学工業というチョークを製造している会社です。 昭和34年のある日、近くにある養護学校の先生がこの会社を訪ねて、今年卒業予定の障がいをもつ少女2名をこの会社で採用してほしい、と頼みにきました。
しかし、人を採用するということは、その一生を幸せにしてあげないといけない、という思いがあり、社長はその自信がなかったのです。
「お気持ちはわかりますが、うちでは無理です。申し訳ございませんが・・・」。
しかし、先生はあきらめず、何度も頼みに来ました。 最後の訪問のときには、「就職が無理なら、せめてあの子たちに働く体験だけでもさせてくれませんか? そうでないとこの子たちは、働く喜び、働く幸せを知らないまま、施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。あの子たちは健常者よりも平均的に寿命が短いんです」 と先生は言いました。
頭を擦りつけるようにお願いしている先生の姿に感動した社長は、「一週間だけ」という条件で就業体験をさせてあげることになりました。
二人の少女は、雨の降る日も風の強い日も、8時開始の会社に、毎朝7時に玄関に来ていました。
そうして1週間が過ぎ、就業体験が終わろうとしている時、「お話があります」と十数人の社員全員が社長を取り囲みました。
「あの子たちを、正規の社員として採用してあげてください。あの子たちにできないことがあれば、私たちみんなでカバーします。だからどうか採用してください。」
社員全員の総意だと言うのです。
簡単なラベル貼りの仕事をさせていたのですが、とにかく彼女たちは仕事に没頭して一心不乱に、そして幸せそうに働いていました。 その姿に社員たちは心がうたれたのです。
少し長いので、次回に続きます。